医療過疎地における診療支援

心臓外科医として働き始めてからは、緊急症例があれば休日であっても病院に駆けつける。それが当たり前の日常でした。けれども、10年の月日が経ち仲間が増えたことから週に1日は病院に行かない日を作ることができました。そこで、その1日は医師不足で困っている地域で働こうと思い日帰りでの地域診療を始めました。

2016年9月 ~ 2017年3月
新潟県十日町市国保松之山診療所
2018年6月 ~ 2019年3月
北海道木古内町国保病院
2020年9月 ~ 2021年3月
長野県佐久穂町立千曲病院
2022年4月 ~ 現在
北海道木古内町国保病院
新潟県十日町市国保松之山診療所の写真

新潟県十日町市国保松之山診療所

新潟県十日町市松之山は、年間平均積雪量が3m、最大時は5mにも達し、特別豪雪地帯に指定されている厳しい自然環境にある地域です。しかしその厳しい自然は、四季の移ろいを鮮明にし、里山の集落は美しい日本の原風景を今も残しています。

松之山診療所では、内科でも外科でもない総合診療医として週に一日勤務しました。ここでの診療は地方の医師不足を補うだけでなく、医師の原点を思い起こさせてくれました。

長野県佐久穂町立千曲病院

長野県佐久穂町立千曲病院

長野県佐久穂町は、長野県東部にあり八ヶ岳と茂来山に挟まれ町の中央を千曲川が流れる山麓の町です。

佐久穂町立千曲病院では、循環器科として外来や入院患者さんの専門コンサルタントとして勤務しました。また、新型コロナウイルス禍にあったため町民へのワクチン接種業務も多く担当しました。ここでは多くの友人知人が出来、佐久穂町の良さをたくさん教えていただきました。

診療支援は次のステージへ
北海道木古内町国保病院

地方の医師不足を都市部からの診療支援出来る範囲はわずかであり、そもそも人口が減っている町の医療衰退は避けられない問題です。そうであれば、複数の地方自治体を横断した社会インフラとしての病院のあり方を考える必要があると思います。

2022年4月から、以前、日帰りで診療支援した北海道木古内町国保病院に今度は非常勤医師に加えて医療行政を司る病院事業管理者の補佐として赴任しています。地域の立地特性、医療環境を考慮し、病院規模は縮小しても医療の質は下げずに逆に強みを持つ。そのような地方の病院の未来を、遠く木古内町から提案していきたいと考えています。

北海道木古内町国保病院写真1
北海道木古内町国保病院写真2

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